釈尊降誕会
5月14日に釈尊降誕会を行いました。
釈尊降誕会は、飯田女子高等学校がとってもとっても大切にしている行事です。
「お花祭り」ともいって、全校生徒と先生が花を一本ずつ持ち寄って講堂のステージを飾り付けます。
釈尊降誕会は生徒会を中心に執り行われますが、生徒会メンバーはこの日のために6時間以上もかけて、式の練習をしたり、準備をしたりします。生徒の姿を見ていると本当に釈尊降誕会を大切にしているんだなと感じさせられます。
下の写真は釈尊降誕会の後のLHR(ロングホームルーム)で飲むための甘茶の準備をしている様子です。
釈尊降誕会では、田中校長先生が大学時代の恩師との思い出についてお話ししてくださいました。
最初に語られたのは、ちょっとびっくりするエピソードです。大学の教育課程の授業中、恩師の先生に「講義を真面目に受けないなら出ていきなさい!」と叱られた田中先生は、本当にそのまま教室を出て帰ってしまったそうです。その結果、なんと教員免許が取れなくなってしまったとのこと。
さらにその後、配属されたゼミの先生が、なんとそのときの恩師だったそうです(普通ならゼミを選ぶ前に気づきそうですが……)。お互いに気まずさもあったようで、なかなか大変なスタートだったようです。
そんな関係にも少しずつ変化が訪れます。卒業論文を提出したときに、恩師の先生から「粗いところはたくさんあるけれど、田中くんのがんばりが伝わってくるよ」と声をかけられ、そのひと言で先生に対する印象がガラッと変わったそうです。
その後、進路の相談をしたときに、「田中くんは先生に向いているよ」と背中を押してもらい、大学に入り直して教員免許を取り、飯田女子高等学校で教えるようになったことを話してくださいました。
田中校長先生はこのエピソードを通して、「人って普段は相手の一面しか見えていないけれど、違う一面を知ることで見方が変わることがある」と話し、人との出会いや関わりの奥深さを感じてほしいと伝えてくださいました。
釈尊降誕会の最後には、生徒の感話発表があります。
今年は13人の生徒が、普段の生活の中で考えていることや心に残るエピソードについて話してくれました。
自分の考えをみんなに話すこと、人の考えを聞くこと、とても大切な時間を過ごしました。
みんなの前で話すことは緊張するし、すごい勇気です。
そして、それを聞いていたみんなはすごく真剣に聞いていました。
本当に素敵な時間をありがとうございます。
釈尊降誕会の後のLHRでは、担任の先生が生徒に向けてお話をしたり、生徒と先生が円をつくってお互いお話をしたりします。
普段からお話をしている間柄ですが、この日じゃないと話せないこと、この日じゃないと知れなかったことがたくさんありました。
いろんなことが詰まった、あっという間の一日でした。
自分のこと、誰かのことを考える時間。笑ったり、泣いてしまったり。
これからの日々の中でも、今日感じたことを心のどこかに持ち続けていてほしいと思います。